生きる [日常生活]
母方の祖父はここ数年、入退院を繰り返している。
何度かお見舞いに行っているが、私の結婚式にでた頃はまだ元気だったのに、すっかりやせ細ってしまって、(現在、体重は32キロしかないらしい)見ている方もなんだか切なくなってしまう。でも、これが年を取るということなんだろうな・・と段々と実感してきている。
ここ数年で、何度も「もうだめかもしれない・・」と連絡がきていたが、祖父の生命力と生きることへの執念が勝り、今でも闘って頑張っている。
先日も、高熱が出て意識がもうろうとしていて目が開かないので「ダメかもしれない・・」との連絡。
仕事がまだ始まっていないので、母と病院に行ってみたが、熱が下がったようで、次第に目も開いて言葉も単語で話せるほどになっていて、一安心。
そんな状態だったにもかかわらず、耳がかなり遠くなっているので、筆談で会話をしているのだが、箸をもつ力もなくなりつつある震える手でホワイトボードに
「私は(まだ)死なないぞ」
と書いた。
そして、手鏡に写る自分の顔をみて
「元気だ」
と一言。
その次の日も
「透析ができない状態なので、かなり厳しい」
ということで、親戚が10人近く集まったら、すっかり上機嫌で話しができるほどの回復力を見せたという。で、結局透析も無事に行われた。
まわりで「ダメかも・・」と言われるたびに見せる、85歳になっても、祖父の「生きたい」という気力に驚かされる。その気力があるうちは大丈夫かな・・・と願っているけど。
幸いあまり歳の変わらない祖母は元気なので、毎日病院に通って看病をしている。その姿を見ていると、長年の夫婦の絆というのが見えるようだ。80歳を超えている祖母は大変だと思うが、同時に祖父はパートナーがいて、世話をしてくれて幸せだろうなとも思える。
そして祖父だけでなく、数ヶ月前から86歳になる父方の祖母も入院してしまった。
手足が利かなくなり、ここ1か月近くは何も食べられず、動けずでベットで寝たきり状態だった。ただ、意識はしっかりしており、会話はスムーズにできる。毎日何もできずに寝ているだけで、色々な検査の痛みに耐えなくてはいけない日々で、祖母も
「毎日、点滴の注射を毎日打たれるし、胃カメラを何回も入れられて痛くて嫌になっちゃう・・」
と嘆いていた。
数週間前から飲食は許されたものの、1か月以上食べていなかったせいか、あまり食欲が湧かず、一口、二口しか食べられないらしい。
祖母は私の父が中学生の時にパートナーの祖父を亡くしたので長いこと独り身だが、一緒に住んでいる娘(私から見て叔母)と近くに住む孫達(いとこやそのお嫁さん)が毎日のように病院に通っているようだ。
私は今まで、親戚でも長期入院していた人がいなかったので今回が初めてで戸惑うところも多が、お見舞いに何度か通いながら、色々と入院している本人とその周りの家族のことなど、今まで人ごとでしか見えていなかった部分が分かってきた気がする。
今後ますます高齢化になっていくというのに、年金問題にしても新たに導入された医療制度にしても、お年寄りに厳しい現実となっていっているようで残念だ。
人は産まれてから死に向かって生きているのだろうけど、「生きる」という気力を失わず、色々なものを積み上げながら1日1日をしっかりと生きていきたい。
おじいちゃん、おばあちゃんも少しでも長く生きて自分の人生を全うして欲しいな。
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